「プレイアトレ土浦」は、日本を代表するサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」でのサイクリングを楽しむためのベースキャンプとして2020年3月に全館グランドオープンしました。自転車の持ち込みが可能な館内には、レンタルバイクはもちろん、コインロッカーやシャワールームなど、サイクリストに嬉しいサービスが充実。茨城県とアトレが官民一体となった取り組みから生まれたことから、2021年に「国土交通省 自転車活用推進功績者表彰」を受賞し、地方創生の新しい試みとしても注目を集めています。モノを売る駅ビルから、日本最大級のサイクリングリゾートという“コト消費型”の駅ビルへとコンバージョンを図るうえで重要な役割を担ったのが、ともに2017年にプレイアトレ土浦に配属となった佐川稜さんと林航平さん。「土浦店に異動するまでママチャリしか乗ったことがなかった」という2人ですが、今ではイベントなどでお客様と一緒にロードバイクでサイクリングを楽しんでいると話します。そんなすっかりサイクリストとなった2人に、リニューアル業務のやりがい、そして商業施設の可能性について聞きました。
※所属部署は取材当時のものになります。
佐川:土浦店への異動が決まった際、“サイクリングに特化したアトレをつくる”というコンセプトはおもしろいと思ったものの、会社として新たな挑戦だったこともあり、これまでの運営スキームは通用するのか?本当にサイクリストは来てくれるのか?など、実は結構不安でした。
林:最初は本当に手探りでスタートしましたからね。サイクリング特化型の観光拠点として茨城の魅力を提供できるように、ナショナルチェーンではない地元ならではのテナントも誘致したかったので、リーシングの面でも非常に苦労しました。
佐川:ただ、熱心にアプローチするうちに、コンセプトに対する本気度が伝わったのか、地元の名店が協力してくれることが決まりました。結果的にそのコンセプトに共感してくれた星野リゾート、地域振興を得意とする飲食会社、地元の名店が参画することで、プレイアトレ土浦の骨格が成立したので良かったです。サイクリスト向けの優待を企画したり、ラックを設置して入店しやすいような環境をつくったりと、テナントもいろいろなアイデアで協力してくれるので心強いです。
林:最近では行政やJRの方々、地域の人たちにもプレイアトレ土浦のコンセプトが浸透した印象があり、地域の課題について相談される場面も増えました。プレイアトレ土浦がハブ機能となって街の魅力をつなげていくことができれば、そこから新たな名産などが生まれるはず。地域からの期待に応えることで街との信頼関係を更に強化していこうと、張り切っているところです。
2期エリア開業時の様子
開業当日は、オープン前より多くのお客様が並ばれ、オープンを楽しみに待っていて下さっていたことを実感しました。
2020年秋に開催したイベント『りんりんサイクリング』の様子
首都圏から約500名のお客様にご参加いただき、りんりんロードのサイクリングを満喫していただきました。
佐川:通常の駅ビルは、足元の居住者や駅の利用者をターゲットに集客方法を考えますが、プレイアトレ土浦の場合は、広域からお客様を呼び込むことを意識して創られた施設のため、“情報発信・ブランディング”と“滞在時の満足度向上”は、つねにチームの最重要課題です。
林:特に手ごたえを感じたのはプロモーション動画ですね。どのような施設なのかを伝えるイメージムービーをYouTubeやSNS等で発信したところ、再生回数は合計で400万回を超え、注目度の高さを実感しました。
佐川:イベントも多数企画していて、2020年の秋には2ヵ月で10本のイベントを開催しました。大規模なサイクリング大会の他、自転車を題材とした人気アニメとコラボしたデジタルスタンプラリーや、筑波山で自転車とキャンプを掛け合わせたアウトドアイベントを開催しました。コロナ禍で自転車が注目されたことも後押しとなり、どのイベントも大盛況でした。
林:その甲斐もあってか、プレイアトレ土浦が開業してから、つくば霞ケ浦りんりんロードの利用者は大幅に増え2020年度は初めて10万人を突破しました。首都圏のサイクリストにとっての“聖地”になれるよう、これからも話題性はずっと創り続けます。目指すは利用者数30万人超えの日本一のサイクリングコース!
佐川:そのためには海外からお客様を呼び込むことも考えています。バーチャルサイクリングのイベントを開催したときは、参加者の8割が海外の人でしたし、海外からのニーズは高いと思います。アトレは台湾でも事業を展開しているので、台湾店とも連携しながらPRしていきたいですね。
多彩な持ち味で人を引き付けてやまない街、吉祥寺に位置するアトレ吉祥寺。地域の大学や商店と連携し、地域を活性化する多彩なプロジェクトを行っている。
これまで駅に直結したショッピングセンターを展開してきたアトレにとって、初の“駅ソト”開発となるアトレ竹芝。ショッピングの枠を超えた次世代の商業施設を実現。
地域のお客様に長く愛されてきたアトレ亀戸。これからも愛され続ける駅ビルを目指し、過去最大規模の増床リニューアルプロジェクトが行われた。
会社設立40周年を迎える2030年に向けて、近い将来のありたい会社の姿を提示する「VISION2030」。
プロジェクトメンバーで未来のアトレを語り合う。
アトレファンをつくるため、デジタル領域に限らず様々な施策を実施。アトレが目指すこれからの顧客コミュニケーションのかたちを語る。